気の音を聴く

鎮守の杜に立つと、木々が呼吸しているのがわかります。
その深く静かな吐息こそが「気」。
目を閉じて、胸いっぱいにその空気を吸い込むと、
自分の中のざわめきが、ふっと収まっていくのを感じます。
鎮守の杜の木々は、静かに呼吸している。
枝葉をゆらし、風を送り、地の底へと根を張りながら、
その深い呼吸は「気」となって、わたしたちを包んでいる。
今宮神社の御神木、楠。
この木は、熱海の森に連なる楠たちの、母なる存在とも言われています。
枝葉を伸ばし、根を張り、誰よりも長く風を知る木。
この杜にそっと立ち、楠に心を重ねてみれば、
時間の流れさえも、少しやさしくなる気がします。
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