「降臨の杜」のこと

本殿のうしろには、「降臨の杜」と名付けられた一角があります。
神様が降り立ったとされる、静かで秘密めいた場所。
鳥の羽音さえ、どこか特別に聞こえるような、
空気の粒子ひとつひとつが澄んでいる場所。
ここには、とてもよい「気」が満ちています。
風の流れ、木々の呼吸、地中からの響き——
どれもが調和して、訪れる人の心をやわらかく整えてくれるようです。
夜になると、木のウロを住まいにしたフクロウたちが、
低く、遠く、ホーホーと鳴き交わします。
その声が闇の中を通り抜けて、
どこか別の世界との境をやさしくゆらしているようにも感じられます。
誰にも言いたくない、大切な場所。
けれど、静かに訪れてくれる人になら、そっと伝えたくなる。
そんな杜です。
